詩【真実】
恒星のような目をしていた私の好きだったあの子は、今も幸せでしょうか。私は幸せです。冗談です。あの子は人を惹きつけた。私はムーンで、あの子はアース。一生離れられない、でも近づけもしないんだよ、一生現状維持ってやつ。もし、もしもなんだけど、私がそ〜っと距離を縮めていったら、引力の均衡が崩れて破滅しちゃうね。そんなのいやだ。そんなのいやだ。
湖の底に流れ星が沈んでるって、あなた信じられる?大きな二枚貝の中で3年間じっとしてたら、オパールになれるって、あなたには信じられないでしょうね。あの子の声を食べたら、私の声があの子の声になるって、そう隣の席の男の子から教えてもらいました。
マスクで心を覆い隠して、悪い言葉とか、悲しい気持ちとか、入ってこなくできたらいいのにね。空気だけを通すの。酸素だけ、必要なのは。素敵な言葉だけ、大切にすべきなのは。
エスカレーターが止まっちゃった。一緒に5階まで駆け抜けてくれる?そういう子だって信じてるよ。5階には青春が待っている。
うた華