うた華ブログ ~現役北大生~

北海道大学文学部に在籍。人生の目的は幸福に生きること。

詩【真実】

 

 

 

恒星のような目をしていた私の好きだったあの子は、今も幸せでしょうか。私は幸せです。冗談です。あの子は人を惹きつけた。私はムーンで、あの子はアース。一生離れられない、でも近づけもしないんだよ、一生現状維持ってやつ。もし、もしもなんだけど、私がそ〜っと距離を縮めていったら、引力の均衡が崩れて破滅しちゃうね。そんなのいやだ。そんなのいやだ。

 

 

湖の底に流れ星が沈んでるって、あなた信じられる?大きな二枚貝の中で3年間じっとしてたら、オパールになれるって、あなたには信じられないでしょうね。あの子の声を食べたら、私の声があの子の声になるって、そう隣の席の男の子から教えてもらいました。

 

 

マスクで心を覆い隠して、悪い言葉とか、悲しい気持ちとか、入ってこなくできたらいいのにね。空気だけを通すの。酸素だけ、必要なのは。素敵な言葉だけ、大切にすべきなのは。

 

 

エスカレーターが止まっちゃった。一緒に5階まで駆け抜けてくれる?そういう子だって信じてるよ。5階には青春が待っている。

 

 

 

うた華

詩【惑溺】

 

 

 

僕は死ぬかと思った

 

彼女の歯がとんがって

輝いた

 

彼女は僕の首に噛みついた

 

彼女の歔欷の音(ね)だけが響いている

 

 

痛かった

 

いや、痛くなかった

 

、、、よくわからなかった

 

 

血が彼女に吸い取られていくのがわかる

 

幸せな気持ちになった

 

君に舌は必要なかったんだね

 

僕の血をあげるよ

 

僕をからからにして

 

 

 

うた華

詩【君】

 

 私の心に足りていないもの。それは愛情。

愛情が食べ物から摂取できたらいいのにと思う。

そしてみんな平等に愛情が欠乏して、愛情を摂取する必要に駆られるっていう義務が必要だと思うんだよ、そう思うんだ私は。

平等って何だろう。平和の平均かな。

 

あぁ・さみしい

と言えば君は駆けつけてくださいますか?

抱きしめてください

と言えば君は戸惑いながら抱きしめてくれますか?

そうしてくれたなら、私の心は少しだけ、オブラートくらいの薄さだけど、緩衝材に包まれて、守られるんだよ。何重にも包まれて、カッチカチになったら、ああ嬉しいとは思うけど、もうそのころには心は脱出不可能で君からの愛に監禁されてしまうのでしょうね。

そうなったら丸ごと燃やしてしまうのが良いでしょう。

 

 もう私の心は限界で、限界って何だろうって思うんだけど、こうやってなにに対しても疑問を持っちゃうのもきっと病で、くるしい。心が限界を迎えた時、人は自ら死ぬわけだけど、心は身体が助けてくれなかったことにフンドしていて、身体はそんな心にヘキエキしている。心が身体にロープを握らせるのって、なんか嫌がらせみたい。

 

 イルミネーションを見ながら、孤独を感じていた時、君が隣にいてくれたらって思うんだけど、君ってだれ

孤独のなにが悪いんだって、見栄を三重くらいはってしまうけれど、寂しいんだもん、そりゃあ悪いよなぁ。

 私のこの気持ちって、残らないから、価値がないから、言葉に気持ちを織り交ぜるのはもうやめて、なんの気持ちも含まない、透明な言葉だけを君に捧げましょう。

君ってだれ

 

 

うた華

松浦シオリとは何者か?~【美人画の最先端を行く人気イラストレーター】~

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口紅(2015年)

 

松浦シオリ画集 私を知らない [ 松浦シオリ ]

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「松浦シオリ」

この方をご存じでしょうか。

 

巷でじわじわと人気が出てきている彼女のこと、よく知らないという方も多いと思います。

 

美人画や、日本画に興味がある方にも、おすすめな人物です。

 

 

「松浦シオリ」の正体とは?

・1993年北海道の帯広市生まれ。札幌市在住。

・主にデジタルツールで創作活動をしている。

美人画の影響を強く受けた作品を描いている。

 

作風を詳しく

松浦シオリさんは、その時々に思う’’美しい女性’’をテーマに創作活動をしているようです。特筆すべき点として、彼女の作品は美人画の影響を強く受けています。また、作品に出てくる女性のほとんどは想像上の人物であると言います。彼女が描く作品に出てくるのは、とても魅力的な女性ばかりなので、モデルがいないというのは驚きです。

 

美人画をテーマに描き始めた理由

 (略)。美人画という作風を描く決めてになったのは、専門学校生時代に林静一さんや上村松園の作品を知って、その美しさの虜になったからです。強く気高い美や、ある意味他人の目を通すことで完成される美というものを自分も描きたいと思ったのは、特に上村松園の影響が強いです。

 

引用元:松浦シオリ(2021年)『松浦シオリ画集 わたしを知らない』芸術新聞社(124ページ)

 

林静一さんや上村松園の作品に出会ったことが、今の作風につながったのですね。

 

作品の魅力

松浦シオリさんの作品は、繊細で柔らかく、それでいて絢爛です。注目してほしいのは2点です。1つ目は、。2つ目は、表情。前者について、彼女が描く髪は、柔らかく、一本一本に動きがあります。特に肩にかかった長い髪は、美しさが際立っています。後者について、彼女が描く人物は、一人ひとり表情が違っています。「何を考えているのだろう」と気になってしまうような作品や、「目が合ってドキッとしてしまう」ような作品もあります。是非、作品を見る際は表情に注目してみてください。魅力的な彼女の作品の虜になってしまうかもしれません。

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明日の死(2018年)

あとがき

以上、松浦シオリさんの紹介でした。最後に、彼女を知ったきっかけについてお話します。私が松浦シオリさんを知ったきっかけは、何気なく立ち寄った書店で、ぼーっと店内を回っているときに目に入った一枚の絵でした。目を奪われて、数秒立ち止まったあと、一度は立ち去りましたが、再び戻ってきてその絵が収録された画集を購入してしまいました。その画集が下に貼り付けている、『松浦シオリ画集 わたしを知らない』です。まさに蠱惑的な画集です(笑)

このブログを通して、松浦シオリさんについて知ってもらえたでしょうか?是非、画集を手に取ってみてくださいね。それではまた~。

 

 

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詩【人魚】

 

人魚

 

 

 

 

人魚は言った。上半身に鱗が足りていないって。

 

人魚は言った。海の中じゃメイクがすぐ落ちてしまうって。

 

人魚は言った。私って魚?それとも人?

 

人魚は言った。ボーイフレンドが出来たの。サケのマイケル、彼、1カ月前から川に旅に出ていて、今は遠距離恋愛中なの。

 

人魚は言った。国境とかずいぶん窮屈なのね、陸は。海の中には境目なんかないわ!だからって、みんな仲良しってわけじゃないけれど。

 

人魚は言った。私って美しいでしょ。

 

人魚は言った。私のママもパパも人魚よ。私のおばあちゃんとおじいちゃんも。でも、その前はわからないわ。

 

人魚は言った。好きな色? 珊瑚の色が好きよ。ほら、あそこにいる。

 

人魚は言った。なぜ脚が欲しかったのかって? 私脚が欲しいなんて一度も思ったことないわ。人魚違いじゃなくて?

 

 

 

うた華

詩【女神さま】

 

女神さま

 

 

 

 アイスグリーン王国がありましたとさ

 王女様のお城には、湖があったとさっ

 その湖はどうやって出来たのか

 その物語を始めよう

 

 女神さまは溶けて

 湖になった

 

 波紋がひろがった

 

 底から真珠色をした小さな魚たちが

 水面に浮かんできて

 口をぱくぱくさせていた

 

 そうしたら、その美しい魚たちの

 ちいさな唇から

 

 真珠が溢れ出した。

 ぱくぱくする度にです

 

 私は急いで零れた真珠を掬いとった

 

 すると、その真珠がちいさくちいさく震え始めた

 そして内側からめくられたように

 真珠が破けた

 

 中から女神さま色の小魚がでてきた

 

 こうやって美しい命はつながってゆくんだとさ

 

 こうやって美しい物語は美しいままなんだとさ

 

 私たちアイスグリーン王国の民は、

 美しい命を授かったのである

 

 美し びゅーてぃふぉ、

 溶けたい 白緑色

 

 

 

うた華

【三島由紀夫】が大好きです ~好きな作家~

どうも!うた華です。

特別お題「わたしの推し」ということで、初めてお題キャンペーンに応募してみることにしました!

 

私の推しは、「三島由紀夫」です。

 

私は今20歳で、自分が生まれる前に亡くなった三島の推しであるのは、少々驚かれるポイントかと思います。

 

私が三島に出会ったきっかけは、友人とスタバに行った時の事でした。

友人は、私が課題をしている間の暇つぶしに、三島の代表作である「金閣寺」を読んでいたんです。

その時、私は有名な「金閣寺」を全く知らなかったのですが、読書家ではない友人が読んでいる本ということで、少し興味が湧きました。

後日友人は「金閣寺」があまり好みではなかったらしく、本を譲ってもらうことができました。

 

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さっそく読んでみると、まさに青天の霹靂でした。

 

「面白い…面白過ぎる」

 

三島の哲学的な考え方、どの箇所を読んでも息をのむ美しい、リズムの整えられた文章、精緻な例え。

 

今まで読んできた本とは、何もかもが違いました。

 

こんなにも芸術的な本が存在するのか・・・感嘆。

 

他の三島の著作も何冊か読みましたが、全て面白いです。

 

 

まさにプロフェッショナルで、孤高の存在。

 

 

 

三島の圧倒的才能が溢れる文学に出会ってから

私は彼に憧れ、小説家になることが夢になりました。

 

本当に本当に三島が大好きです。永遠に推し続けます。

 

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